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すしら・コ・ダイニキ

すしら・コ・ダイニキ

チトワン

チトワンは行っとけ!!
 日本への帰国が迫ってきた今、どうしても心残りだったのはチトワンへ行っていなかったこと。パタンの動物園でさえあんなに喜んでくれる子供達だからこそ、チトワンは絶対体験させたいとずっと思っていましたが、なかなか行けずにいました。でも次はいつ来れるか分からないネパールで、心残りがあってはいけないと強行で行って来ました。
 チトワンは国立公園にも指定されている、ネパールの南、タライ地方のジャングルで世界遺産にも登録されて、カトマンドゥ、ポカラに並ぶ観光地になっています。
 カトマンドゥからは初の国内線の飛行機を使いました。ドル建てのとてつもなく高い外国人料金を取られはしないかと、なかなか国内線は利用できませんでしたが、以前通っていた学校のクラスメイトを通じて調べてもらったら、ネパールの結婚証明書があれば私もネパール人料金で乗れるらしいと聞き、早速手配してもらいました。文句は言われたようですが、何とかネパール人料金の航空券をゲット。クルタを来て空港へ向かい、一度も外国人だと怪しまれることなく、家族3人ネパール人としてブトワールへ到着。ブトワールまで約25分の飛行でしたが、国内線、乗ってよかった!!まず飛び立つとすぐ、自宅が見えます。だんだん小さくなっていく街並み。長く住んで地理的にも詳しくなったので、眼下に見覚えのある風景が広がります。カトマンドゥってこうなってたのね。と改めて実感。そうこうしているうちに山岳地帯上の飛行です。いくつかの山を越すといきなり、平べったいまさに平野が姿を表わします。これがタライ平野です。ネパールの地形、分かり安すぎです。大きな河、そして緑の森の混じって一面の白い森が見えます。この白い森の正体はのちのち分かることになります。そうこうしているうちにブトワールへ到着、いや~飛行機はやっぱり速い!!でも暑い!!カトマンドゥの秋めいた天気がウソのようです。まだまだタライは夏でした。
 今はネパールの情勢があまりよくないということで、民間のネパール人でも飛行機を利用する人が増えています。でもバスよりはシート数がすくないので、いつでも満席状態で私も日曜に出発予定でしたが、席が取れずに火曜日の出発になりました。ですから日本から短期でネパールを旅したい方、飛行機があるからいいやと安心しないで下さい。頼りの飛行機でさえ、席が取れないこともあるので、日程には余裕を持つことと、時間がない人は日本から国内線の手配がしてもらえるならしてもらっておいたほうが無難です。
 ブトワールの空港へはまたしても航空券を手配してくけたクラスメイトの知り合いがチトワンへ住んでいるという事でそのPバイが出迎えに来てくれました。チトワンではPバイにすべてお世話になることに。楽しい旅のスタートです。

 おなかすいたでしょ?Pバイが親戚の食堂に連れて行ってくれました。そこでモモとダルバート、スクティをいただきました。子供達は暑さに参って食べないといいます。でも食べなくて正解でした。私はここの料理で、2日間体調を崩すことになりました。モモもダルバートもおいしかったけど、あたっちゃいました…
 ホテルへ着き、私はぐったりベッドへ倒れこみます。それに対して元気な子供達。さっき会ったばかりのPバイとすっかり仲良くなり、ホテルの池で魚釣りをしたり、自転車で周辺の観光に出かけて行ってしまいました。夕方涼しくなってから、ジャングルウォークに行こうと子供達が呼びに来ました。チョット気分も良くなったので夕涼みに近くのジャングルへ。ジャングルへ行く途中、一面に田園風景が広がっています。ここはセカンドタメルと言われるソウラハから離れたところにあるホテルで、周りはタライならではの民家と田んぼばかりです。道ですれ違うのは水牛や牛の群れ。ホントにのどかです。ジャングルの入口につくと、向こうの川岸に早速クジャクが出迎えてくれました。野生のクジャクがこんなに簡単に見れるなんて!!もうこの時点でかなりカンゲキしてしまいました。そして向こうの方に飛行機の上から見えた白い森が広がっています。Pバイの訪ねると、すべてエレファントグラスのだそうです。エレファンとグラスはゾウの背丈ほどもある草で、ちょうど穂?(タンポポみたいな種)ができた状態で、それが一面に白く見えるのです。明日はあそこへゾウに乗って行くんだ、バイが教えてくれました。小一時間ほどの散歩、ホテルに着く頃には辺りはすっかり暗くなっていました。帰り道で目の前を小さく光るものが。ホタルです。わぁホタルもいるんだ!!またまたカンゲキモードです。ホテルへ着くとホテルの庭にもホタルが結構いました。
 何だか小さい頃を思い出しました。私は九州の田舎で伸び伸びと育ちました。今思うと贅沢な環境で多感な時期を過ごし、都会では出来ない経験をたくさんしてきました。私の子供達はネパールではカトマンドゥ、日本でも都会といわれるところに小さいときから住んでいます。だけど、自分の子供達に自然体験を意識的にたくさんさせようと改めて思いました。
 気分はだいぶ回復しましたが、まだご飯を食べれる状態ではなく、バイの言葉に甘えて私はまたベッドへ倒れこみました。子供達はバイや他のお客さんたちと一緒に楽しい夕食時を過ごしたようです。母はなくとも、子供達はとても楽しんでいます。ネパールで子連れっていうのはホントに楽です。皆子供好きだもんな~

 翌日はメインのエレファント・ライドです。早朝から行く予定が、手違いで9時半頃にゾウが到着。9時半といってももうガンガンに日差しが降り注ぎ、暑い暑い。私たちは同じホテルに泊まっている、若いネパール人夫婦と一緒にゾウに乗ってジャングルへ。まずはゾウ乗り場の広場でクジャクに遭遇、河を渡りジャングルへ入っていくと時期が悪かったというか、一面エレファントグラスで何も見えません(笑)それでもしばらくすると、2匹のシカの遭遇。幸先いいスタートと思いきや、暑さですでに子供達はダウン気味。ゾウに揺られて強い日差しの中、視界の悪いジャングルを進んでいきます。あー暑い…皆の会話がなくなり終わりに差し掛かったた頃、池で水浴びをしているサイを発見。サイも暑そうで、ゾウが脅かしてもなかなか池から出ようとしません。でも全身を撮影することに成功。これで目的は果たしたといってもいい。その後ジャンル・ククラ(野生のニワトリ)、出口近くでキングフィッシャーという色鮮やかな鳥にも遭遇し、まずまずのエレファント・ライドでした。でもゾウの独特の揺れに慣れていないので、皆チョット筋肉痛気味でしたが…
 その後私はまたまたベットへ、子供達は魚釣りへ。子供達のスタミナはホントにスゴイ、暑い暑いと言いながらも、日中一度も部屋へ戻ってきて休憩することはありませんでした。夕方近くになると、ホテルのジープが到着、ソウラハの方へ連れて行ってくれるそうです。早速一堂乗り込み、出発。村の中をジープで駆け抜けす。8年前にタライを訪れたときもそうでしたが、タライの女性達は、クルタでもサリーを着ていても颯爽と自転車を運転します。これはカトマンドゥではあまり見られない光景です。カトマンドゥ自体坂が多いので、自転車に乗る人の絶対数が少ないこともあるのですが。
 村を抜けて着いたのは、カヌー乗り場です。ここからカヌーに乗ってエレファント・ブリーディング・センターまで行きます。涼しげな河を渡っていくと、多くの鳥たちがいます。そして、ワニ!!おお~さすがジャングル、ワニもいるんだ。私たちは遭遇しませんでしたが、この周辺の河には淡水イルカもいるそうです。しばしのカヌーの旅の後は私が一番楽しみにしていたエレファント・ブリーディング・センターへ。
 エレファント・ブリーディング・センターは名前のとおり、ゾウが繁殖目的でたくさん飼われています。こんなに多くのゾウを一度に見るのは初めて、さすが迫力あります。そしてラッキーなことに、生後2週間ほどの小ゾウがいました。遠くから見ていると、裏に木の囲いがないところを発見。早速皆で回り込み、小ゾウをより近くで見物。すると小ゾウが私たちの方へ近づいて来ます。挨拶代わりに私の服に鼻についている汚れをなすりつけ、交流のスタートです。小ゾウは私たちと遊びたいのか積極的に寄ってきて、押し相撲などを楽しみます。子供達も最初はおっかなびっくりでしたが、大喜びでした。生まれて間もない小ゾウは本当にかわいいです。大人のゾウが優しい目をしているのに対し、小ゾウの目はまるで絵に書いたような鋭い目をしています。でも動きや存在自体が着ぐるみみたいで、本当に愛らしいんです。ゾウ好きの私にはたまらない経験が出来ました。ここはチトワンへいったらはずせないスポットです。

 エレファント・ブリーディング・センターでたっぷり楽しんだあとは、日没迫るソウラハ入口のラプティ川岸のオープンレストランへ。ここで日没をゆっくり堪能。ふと横を見ると遠くで仕事を終えたゾウがゆっくりと河を渡っています。この風景すべてが、本当の言葉を失うくらい素敵でした。バイが「ディディ、あっちにヒマールが見えるよ」と教えてくれました。モンスーンでカトマンドゥではヒマールが見えないのに、タライ平野で夕日の染まるオレンジ色のヒマールを拝めるなんて思ってもみませんでした。まだまだラッキーなことは続きます。ソウラハ周辺に住んでいるらしい野良サイの子供に遭遇。小ザイはさすがに人に慣れていて、私たちが囲んでも動じることなく、ラプティ川へ水浴びへ向かいました。水浴び中にちゃっかり記念撮影にも成功。ラプティ川で見る日没は本当に感動ものです。ここもオススメです。
 感動で胸が一倍になりながら、夕闇の中ジープでホテルへ向かいます。途中で夜にタルー族のダンスを披露してくれる青年達が自転車でホテルへ向かっています。でも、まだカトマンドゥからのゲストが着いてないからと足止めされていました。この日、カトマンドゥから朝出たバスは、夜8時頃チトワンへ到着しました。通常なら5時間ほどで着くのですが、事故や渋滞がひとつでもあるとこんなカンジです。
 カトマンドゥからのお客さんも無事到着し、タルーのスティックダンスの披露です。やっぱり南の音楽はノリがいいです。パーカッションの軽快な響きとともに躍動的でリズミカルなダンスが続きます。私も自然に体がリズムを刻みます。メインのファイヤーダンスの後はゲストも一緒にダンスするコーナーです。ビン君は気に入ったらしく、一人で最後まで踊っていました。楽しいダンスの後はおいしい食事です。この日にカトマンドゥから来たゲストは常連のネワール人夫婦でカトマンドゥからチウラやバトマスなどを持ってきていて、ネワール料理を最初にいただきました。チキンはローカルなもので、カトマンドゥよりおいしいです。シカのスクティ(干し肉)も頂きましたが、これはチョット臭みがあって私はダメでした。次はローカルチキンと今日池で釣った魚のバーベキューです。私たちと一緒に観光した若夫婦のガイドと?!して一緒に来ていたタカリーのイケメン・バイが張り切って焼いてくれました。きっとシンプルな味付けで漬け込んだものなのですが、じっくり焼いてスモーク気味になったこともあって、やわらかくて塩加減もちょうどよく、とてもおいしかったです。楽しいおしゃべりとともに盛り上がり寝たのは11時を過ぎていました。
 翌日、ずっとウェーティングをかけていた帰りの飛行機の席は確保できず、キャンセルして若夫婦達と一緒にバスで帰ることにしました。ムグリンまでは先日の土砂崩れもあり、道はボコボコでしたが、ムグリンからカトマンドゥ入り口手前までは道も良く快調に飛ばします。でもカトマンドゥに入るまでにチェックのため約2時間の渋滞、カトマンドゥに入ってからもちょうど夕方の渋滞と重なり、ウチに着いたのは朝9時半ごろ出発して夜7時でした。子供達はこの旅行の疲れがどっと出たのか二人とも今熱を出しています。
 でも最後にとても有意義な旅行が出来ました。飛行機の手配やPバイを紹介してくれたクラスメイトのリンブーのディディ、全般的にお世話してくれた好青年のグルンのPバイ、子供達とたくさん遊んでくれたマナンの若夫婦とタカリーのイケメンガイド、バウンのホテルオーナー、タルーの従業員、ダルバールマルグのアンナプルナホテルに来たら安くするよと職場の名刺をくれたネワールのダイ、ディディ。皆、皆ありがとう。ネパールは多民族国家だとよく日記で書いてきましたが、その事が具体的に分かってもらえるようにあえてこの旅行で私が関わった一部の人たちの出身民族も書いてみました。今回もネパール人の温かさをとても感じるハートフルな旅でした。
 毎回のように写真がアップできないのが残念ですが、帰国後、編集する機会があればアップしようと思います。チトワンは子供でなくても、大人の私たちでもとっても楽しめるところです。この小さな国の中に、北に世界最高峰のエベレスト、南にジャングルがある国なんてネパールだけです。ほとんどカトマンドゥに閉じこもっていた一年でしたが、最後に飛び出してホントによかった~♪


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